【軽乗用車の運送利用を10月に解禁へ】私の意見。

「国土交通省はフードデリバリーなどの運送事業の手段として、乗用車タイプの軽自動車の使用を解禁する方針」

 ごく最近、巷を沸かせたのがこの記事。参入の障壁が低くなったとか、現役の専用事業者(つまり我々の事)は仕事を無くすだろうとか、色々と言われています。
 なので今回はこの件に関する私の考えについて述べたいと思います。

 一言で言うなら、「専用業者はもう不要」なんて騒いでいる所もありますが、配送、特に宅配は私の開業時から年を追って確実に増えており、「まぁ、やってみましょうよ。でも甘くないですよ。」です。

「稼ぎたい」は勿論ですが、私の様に「仕事は程ほど、プライベートも大切に」という人も多いのも事実。でもそれが実に難しいのが実情です。

 確かに長引くコロナ渦の影響で宅配が増加し、どこの運送業者も人手が足りないのは事実です。時折マンションの配達等で他業者と鉢合わせす る事がありますが、こちらがあと数個で今日の仕事も終わりという時間帯に「まだ**個もある」と嘆いている人が少なくないです。その会社の営業所ではでは毎年年末になると多い時で1日に3,000個位の「手つかず」の荷物が発生するとか。
 又、参入の障壁に「車両の購入」が挙げられるのもまた事実です。因みに私が入っている某所の場合だと、他業者も含めて私の様に自前の車両で業務を行っている者は、恐らく全体の3割に満たないと思います残。残りは全て契約する会社から有償で貸し出された車です(中には個人リース)この業界を選んだ時点で既に貯金が底をつき、そこまで回らないというのが実情の様です。



 私の所属先にも午前中のみ来て配達をする人がいますが(午後から本業がある為)、不定期ながらも出勤した際には担当として割り当てられたそのエリアを「空にする」事が求められてはいます(50個位?)。また逆に、それ位やらないと燃料や保険などの車両費をペイできないので、割りに会いません。私の配送するエリアは都心部で「ペンシルマンション」が多い為、不在時に入れる宅配ボックスの数が限られており、朝は全力で他業者と競ってそれらを最優先して回る毎日です。
 多い日には1日に30個以上入れるもあります(もっと多い所もある)

では10月以降は一体どの様になるんでしょうか?自分なりに考えてみました。 

 「事業者ナンバーを取得すれば乗用タイプでも可」とは言っても、貨物用に比べて積載量に劣る乗用タイプで、自分にとって都合の良い(=小さくて軽い)荷物ばかりを選んで仕事するというには、どこの会社でも行かないでしょう(行くとすれば、単価が抑えられる)
  宅配の場合は、個人の経験で言えば、住宅地では「朝は10時前の『人が動き出す』前の時間帯」と、「夕方4時以降の在宅率が高くなる時間帯」です。でもこれ「スキマ時間」をあてこんで仕事をしてみようと考えている人達にとっては、逆に所用があって都合の悪い時間帯です。
 加えて「全てが落ちる」(=配達完了)とは限りません。不在の荷物は当然拠点に持ち帰る事になります。その分ロスが発生します。(時間、経費)

 ネットスーパーはどうでしょう?少し昔になってしまいましたが、私が少し入っていた所では月に3回「送料無料デー」があって、その日に注文が集中する為、仕事を回す側は何時もスタッフのやりくりに苦労していました。
 ただ、今はどうだか分かりませんが、全ての配達先が「カード決済」とは限らず、中には現金の受け取りが必要な所も。当然つり銭も自前で用意しなければならないし、配送が終わった後に自分で銀行に振込みに行かねばなりませんでした。何せ10年以上前なので、現在は改善されているとは思いますが‥

 一番大事なのが「車両保険」。事業ナンバーをとるという事はナンバーも変わる事なので、自動車保険も事業用に変更する必要があります。軽自動車の自動車保険は年間で50,000円位が相場だそうですが、事業用車両はちょっと高いのでご注意を。

 最後に、ネットで運送業の求人を検索すれば、この類の委託業務はワンさと出てくる昨今ですが、この仕事、稼ぎも大事ですが「仲間」も大事です。
 右も左も分からない所へ飛び込んだ際に、きちんと教えてくれる人が居るか、楽しくやれる仲間がいるかも、長続きさせるには結構重要な要素です。
決して「**稼げる」の言葉に惑わされない様、「人を見る」判断力も時には必要だと、最後に付け加ええさせて頂きます。



CNエボリューション

個人事業主として軽貨物事業を営んでいます。天然ガス自動車を業務に使用していく事の、良かった事、悪かった事、面白かった事、色々ご紹介して行きたいと思います。

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