天然ガス自動車(バイフューエル車)導入-メーカーとの折衝(2)
と…いう事で、今焦って補助金ナシで新車に代替えするのは余りにも得策ではないと<考え(誰だってそうするでしょう(笑))乗っているクルマをもう1年、消耗部品をなるだけ交換しての「延命」措置をして凌ぐ事にしました。とはいえ、何せ車齢10年超で距離も28万kmオーバー。ガスのお陰でエンジンそのものは未だ健康でしたが、車体はもうあちこちがガタガタ。段差に乗り上げてリアハッチを開けるとボディが歪んで今度は閉まらないわ、運転席のシートは余りに多い乗り降りで右半分が裂け中身出てしまって、半分下地の「鉄板」の上に座っている状態。ドアミラーの付け根は開閉作業の連続で金属疲労を起こし、鉄板そのものが縦に亀裂が入っているという有様。
ウインドウガラスを抑えるゴムが劣化して切れてしまってて、1日何回もやる開閉の際にガラスごとバタバタ言うわ・・・
普通ならもうそうなった時点で十分に買い替えにGO!ですが、今となっては次年度こそ補助金を得る為に、この車齢11年の車が逆に必要なのです。
「もうあと何km」と分かっていても、「もう既に何km」となると、個人事業主の営業車として、稼働を止めない為にも交換しなければならない部品というのはある訳で、そこは「おかしくなったら直す」マイカーとの大きな違いです。例えばスターター・モーター。宅配業務で毎日150回以上×年間300日以上回し続けていたら、やはり10万kmを目処<に交換するのが妥当といえます。その交換も代替えの半年前に行いました。
そして、かくして年が明けます。再度補助金申請の時期を、今か今かと待ち望んで前年より1ヶ月遅れ。やっと公開された県の補助金取扱い要項に、晴れて
「貨物自動車運送事業法第36条第1項の届出をした貨物軽自動車運送事業者」を
加えて貰ったのを確認した時には、正に万感の思いでした。
正にグリーン・グラッグ(笑)リ・スタード!!(インディ500を知らない方ゴメンナサイ)
が…しかしながら(笑)、またしても壁がやってきました。
「今度こそOKですよ」旨を伝えたバイフューエルへの改造事業者の営業担当が、またまたとんでもない事を言い出しました。
「実は…当社はコンプライアンスの関係で、個人の方とはお取引き出来ない事になっており
まして…」
かつて「違法改造」の代表格とも言えたボルトオンターボやコンピューター・チューンで名を馳せた(実際私も憧れだった(笑))その企業の成り立ちを思えば、理解出来ない訳ではありません。でも現在の会社の姿勢として、どこかの会社法人に仲介役として立ってもらい、その企業からの発注という事にして欲しいとの要望でした。
そこで再び、整備工場を紹介してくれる事になっていたガス会社さんに再びその旨の相談を電話し、私の変わって新車の発注と改造の依頼をディレクションして頂けないかと相談した所、何と今度はこちらからも「NO」の返事が帰ってきました。改造事業者さんと同じ理由で、「個人とは取引きしない」との事です。
(もっとも、こちらの場合は前者の「コンプライアンス」というよりも、大手インフラ事業者としてのプライド、といった不愉快なニュアンスの方が強く感じました…何せ「あのクルマだって本来は一般には売らない方針なんだけどね」とまで言われてはねぇ…)
もうこうなっては仕方ないので、再びクルマを売ってくれるディーラーの営業マンさんに相談し、「マージンを取っていいですから御社から発注する事にして」と持ちかけ、無事承諾を貰いました。
ただ、これまたお決まりの事で、ディラー側の想定しない改造を施す事により「特装車」となる為に、「納車後の車両のトラブルについては一切責任を持ちません」旨の書類にサインを求められ、応じる事になりました。
そしてようやく、「交付申請書」の受理、更に「交付決定前着手申出書」の認可を自治体
(県)からも貰う事ができ、メデタく車両の正式な発注となりました。
余談ですが、この「特装車」。貨物の分野では普通の事で、2トン以上のトラックと
いうのは、メーカーの新車というのはキャビンから後ろはシャーシむき出しのハダカの状態が多く、後ろの「箱」は、業務に併せて事業者が特別製を架装するというのが殆ど一般的なんですよね。
画像引用:いすゞ自動車株式会社
長い、本当に長い1年でした。
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[…] イミング、と同時に導入の手順を操作しないといけないという正に綱渡り的な作業でした。(詳しくは「天然ガス自動車(バイフューエル車)導入-メーカーとの折衝(2)」をご覧下さい […]