ちょっと検査入院?-バルブクリアランス調整

  猛暑だった去年に比べて随分と残暑が続いた今年の夏はとうに過ぎ、ちょっとだけ秋の気分を味わえた‥と思ったら、季節はやがて冬。地球の温暖化というのは四季が美しい筈の日本から着実に「春と秋」を奪いつつありますよね。 

 この秋で、私のハイゼットCNGバイフューエルも丸3年、距離も6万kmを超えるに至りました。大きなトラブルもなく、相変わらず調子よく働いてくれていますが、流石に新車当時のままという訳にもいかず、僅かですがあちこちに疲れも見え始めて来ています。
 これを期に、改造メーカーから推奨されている「バルブクリアランスの調整」を実施する事にしました。

 ここで「おさらい」を。

バルブクリアランス解説画像

画像転用:「41歳からの★BMW R100RS」ブログより

 天然/LPを問わず、「ガス」を燃料とするエンジンでは、ガソリンや軽油などで得られる、燃料による「燃焼・冷却・潤滑」効果の内の2つ「燃焼室の冷却」と「吸気系バルブの潤滑」の効果が得られません。なのでエンジンの水温はガソリン運転時より少し高く、吸気側のバルブは、「バルブシート」という、バルブとシリンダ内面と接触して燃焼室の密閉を守る箇所の摩耗が着実に進み、バルブとそれを押すカムシャフトのカムとの遊び(バルブクリアランス)を狂わせていきます。これは私のクルマに限らず、LPガスで走るタクシー、更にはJPN TAXIの様なハイブリッド車でも必要な事だそうです。

 メーカーからガス専用者として出荷されたクルマには、この部分が強化された部品を使っている為、その心配は起きません。実際以前乗っていたS200Vも、30万kmを超えてもエンジンの回転そのもは滑らかそのものでした。しかしトラック以外でメーカー仕様の天然ガス自動車は無く、現在乗っているバイフューエル車は、あくまでガソリン車をベースにしている為、エンジン内部はノーマルそのもの。健康状態を維持するには、クリアランスの調整は欠かせません。3万kmを超えた際の検査でも、一部でクリアランスが「ゼロ」になっているバルブがあり(=冷間時でゼロという事は、熱を持つ運転時にはバルブが常に少し開いている事になる)、6万kmで調整するのは避けられないと思っていました。



 本来なら、10月に行われた12ヶ月点検の際に一緒にお願いしたかったのですが、この作業、「点検のついでに」出来る代物ではないそうです。まず入庫後、エンジンが完全に気温レベルになるまで冷めるのを待たなければならない、そしてようやくエンジンの上部を開けて12個あるバルブのすき間を測定。修正用のバルブリフターを部品メーカーに発注1.5営業日以上を経て届いた後に組み込んで、元に戻す‥という具合です。この作業だけで5日は見てほしいとサービスから言われており、10月中には請負元の会社から代車の都合が付かなかったため、晴れて?の入庫となった次第。

 その間は、大人しく?ガソリン車に乗って仕事しておりました。
 久しぶりにノーマルのハイゼットに乗りましたが、簡単に自分の車と比べると「軽い。よく停まる。煩い、燃料費がかかる」かな?(笑)。予定より早く、3日後の夕方に作業完了の知らせを聞いて大慌てで工場に。件のクリアランスの件ですが、以外な事に上記の潤滑、冷却の恩恵を受けない筈の吸気側のバルブは問題なく、逆に排気バルブ側のすき間全てに異常が認められ、部品を交換して調整されたとの事です。

この機会なので自分のバイフューエル車(手前)と、ノーマル車との車高の違いを比べてみました。が・・夜なので分かり難い(汗)。ボンベの重量が影響しているのか、少なくとも3cm位の車高の差があります。

 

 そうか‥「熱」か。
 秋になった11月でさえ、少しノロノロ運転が続いただけでも水温が100℃に達してファンが回るのを気にしていましたが、やはり「ガソリン車より常に水温が高め」な事で、ダメージが少しずつ加えられていった感じです。整備にかかった費用はおよそ27,000円。でも心なしか加速も良くなり、エンジンも更に静かになった気がします(ガソリン車に乗ってた後だからかな?)
今後は、少なくともエンジンを切る際の水温に注意を払い、エアコンのスイッチを入れてファンを「強制的」に回して、温度の上昇には気をつけて乗りたいと思います。



CNエボリューション

個人事業主として軽貨物事業を営んでいます。天然ガス自動車を業務に使用していく事の、良かった事、悪かった事、面白かった事、色々ご紹介して行きたいと思います。

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