軽貨物の仕事について-2019
今まで軽貨物の個人事業主のブログの割には、肝心の仕事については殆ど触れずに来ていました。何故ならこの仕事程「不確実性」の高いモノはないと言って良いくらい。個人のスペックやスキル、仕事の内容やエリア等様々な異なる条件の中で一括りに「稼げる、稼げない」を語るなんて無理だと思っているからです。
ただ最近、現在の業界にちょっとした変化を感じましたので、今回敢えて綴らせて頂きます。
現状に満足してはいませんが、かといっって「やってられねぇ」という事も
余りなく(その手前で抑えている?(笑))、今世間は一体どんなだろう?と思って軽貨物で求人をしている所を探してみました。(そもそもが「個人事業主」求人サイトなどに頼ってばかりではいけないんですが‥)
一見すると「結構あるじゃん」。でもその一つひとつをよく見てみると、その殆どが同じ内容の仕事。「最近個数を減らしてませんが?」中々痛い所突いてます(笑)
休日、朝食を取りながら聴いていたラジオで、そのCMが流れてきた時には驚きで、「軽貨物とスマホがあればできる自由な仕事。自分で調整、無理の無いスケジュール」
ご存知、アマゾンの「新しい」配送サービス「アマゾン・フレックス」の事です。
大手が投げた宅配を自社で行う様になっただけの事ですが、物量に関わらずフルタイムで拘束される事が多いこの仕事にフレックス制度を設けたのがミソでしょうか。
「働き方改革」で残業代が減り、どこかで何とかしなくては、と、CMを聴いて心を動かされた方も多いでしょうが、貨物車は自前ですから実質は「メインだけでは稼げない」我々同業を対象としていると考えるべきです。「空いた時間で1日***円稼げれば」とはいえ、夕方5時に仕事を終わらせて慌てて自宅に車両を取りに…はちょっと考えにくいです。
事業用車両というのは、所有しているだけでも結構お金がかかります。何と行っても燃料代。そして事業用の自動車保険に駐車場代、そして車両維持の為の修理代等です。
(帳簿上はオイル交換も「機械修繕費」)
更には冬用のタイヤセットに重量物を運ぶ際の台車‥細かい所まで掘ると色々出てきます。
特に車両。中古でどんなに安いのを探しても、まず30万円は必要です。当然距離も10万km超えなんてのが当たり前で、既にあちこちに疲れが見えています。それを知ってか知らずか放置して乗り続けていると、いつか手痛い高額修理の元になります。笑えない話ですが、先日仲間で一番新しい車両に乗っていた筈の人が、エンジンを壊して交換する羽目になりました。
聞けば当たり前。買ってからオイル交換を殆どしていなかったとか。
それらを考慮した上+手元に残したい金額÷配達単価で目笑を設定し、その通りに動ける、又は動こうとする人でないと、長続きはできません。実際私の配達エリアを回っているアマゾンも、2か月経たない内に人が変わっていきます。
スマホを必需品とさせている所あたり、他社では貸与される携帯端末を個人のスマホのアプリで代用している事(通信量がかなり多いとの事)と、配達の状況を管理されている事が伺え、「自由な仕事でもなんでもない」事が予想されます
また、余談ですが、時々仕事中にアマゾンやウーバーの配達中に道に迷ってる人を見かける事があります。アプリの地図が正確でない事が多いとか。
甘いと言われるかも知れませんが、最重要である上記をクリア出来る上でプラス「自分にとって楽しいと思える何か」を見つけられる事が、この仕事を続けるコツではないかと思います。いや仕事全般に言える事なのかも知れません。
似たな仕事をしてはいますが、「ギグ・エコノミー」(インターネットを通じて単発の仕事を受注する働き方)は個人の人柄とかガンバリとか、感謝の言葉とかは全く関係の無い世界です。あるのは結果だけです。アマゾン・フレックスで働く人のブログ等ではほぼ間違いなく共通して「誰も仕事を教えてくれない」と書き込まれています。私がこの業界に入った時は、請負元が元上司だったので大いに助かりましたが、そんな人間関係もない中へ初心者が入っていくのは、「覚悟の要る事」と進言させて頂きます。
せめてこの辺りの本を読んでから行動に移される事をお勧めします。因みに私、図書館で借りようとしましたが、予約が半年待ち!の為、ネットで購入しました。アマゾンの倉庫業務で1日16km歩くというのは驚きで、携帯電話の歩数計が平均14km前後を指す私の仕事と殆ど変わらない辺り、現場の労働の過酷さを十分に伺えました。
最近のコメント