日本は世界で一番天然ガス自動車が高い国?(1)

天然ガス自動車のメリット・デメリット2019年度版」でもお話しました通り、天然ガス自動車の普及の足かせとなっているのが、その価格です。
それでも、世界を見渡せば、日本よりはるかに多く天然ガス自動車が普及している国は実は沢山あります。

日本ガス協会の平成29年3月時点での資料によりますと、日本の保有台数は何と26位!1位の中国の500万台は国(3.1億台)の占有率から見れば約1.8%に対して、日本は僅か0.05%。世界の自動車の保有台数(12億8,000万台)の内、約2%が天然ガス自動車という事になり、0.1%の電気自動車をはるかに凌いでいるにもかかわらず、です。

ガスの産出国であったりだとか、国内の大気汚染が深刻だからとか、一党独裁の国だから政府の方針次第で何とでもなるとか、それぞれの事情があるとは思いますが、一体どうして日本は天然ガス自動車が少ないのだろう、逆に、この決して安くないクルマが、他所の国はどうして普日本より普及しているんだろう?と。

参考にいくつかの国を調べてみました。

■ドイツ(天然ガス自動車の占有率 約0.2%)
フォルクスワーゲンの本国サイトを覗いてみると、普及モデルであるpoloやgolf等には、CNG仕様車(TGI)がラインナップに加えられているのが分かります。
poloの場合、天然ガス仕様車(TGI)は最安グレード車よりは約87万円高。上級グレードよりも更に2,400ユーロ(約30万円)高いですが、最高値のGTIに比べれば約40万円以上安いです(比べるのがそもそも間違いかも知れない‥)

VWゴルフTGI

VWゴルフ・TGI (バイフューエル)車

Golfに関してはも、246万~563万という広い価格帯の中天然ガス仕様車(TGI)は約336万円。こちらも同じく最安グレード車より約90万円たかいものの、ちゃんとラインナップの形になっており、極めて普通の選択肢の一つと言えます。
どちらも、ガソリンでも走れる「バイフューエルであることは勿論のこと、ボンベを増やして3本にしながらも、トヨタのMIRAIの様にちゃんと座席やトランクの下に収めてスペースを稼いでいる所が、実に実用的です。逆に、普及の小型車でもそこまで考えて設計している所あたり、日本とは全く違うクルマ造りへの「意気込み」すら感じます。

golf-TGIの透視図。後部の2本に加えて新たに座席下にボンベを追加(画像はいずれもVW本国サイトより転載)

【参考サイト Responce

 他にも、アウディにも、、A3やA4にはCNGモデルが存在します。メルセデスやBMWでは確認できませんでした。

同様の事は他の国でも確認できます。



■イタリア
フィアット本国サイトにて
パンダの価格帯は日本円で8,540ユーロ(約106万)~14,910ユーロ(約186万円)程度
その中でCNGモデルは約130万円
他にプントにもCNGモデルを資料で確認できました。

そして極めつけは‥

■インド
ご存知の方も多いでしょうが、インドには日本のスズキとの合弁会社「マルチ・スズキ」があり、2018年には約175万台を生産・販売しています。驚くことに、内約50万台が天然ガス自動車です。
もっと驚くのが、その価格。
ブログ「海外自動車試乗レポート」によりますと、K10のAGSモデルで40.6万ルピー(約63万円)、天然ガス自動車でも何と66万円にしかならない!
車両そのものの質云々はあるんでしょうが、日本の軽より安いって・・

■日本
これはもう、例として上げた各国とは比べようも無く「悲惨」ですらあります。

スバル・レガシィB4 CNG車(画像引用・WebCG)

2004年6月にスバルから発売された「レガシイB4・2.0CNG」の価格は483万円!ベース車より230万円アップとの事(殆ど「倍」なんですけど‥)

トヨタ・プロボックスCNG(画像転用:WebCG)

ハイブリッド車の登場と引き換えに消滅状態になったトヨタのプロボックスCNG(専用車)は
その価格が269万円。その内改造費相当額は160万。つまりベース車の価格は109万円。何と2.5倍!

ハイゼット・カーゴ(画像転用:ダイハツ自動車)※写真はCNG車ではありません

CNGモデルが存在した最終(2015年頃)のハイゼット・カーゴCNG車の価格は約210万円。ベースになっている「スペシャル」は99.8万円(共にハイハイルーフ、AT)その差何と110万円。しかもスペシャル他全てのガソリン車のATは4速なのに対して、CNG車だけは何故か3速!(普通に走らせてくれぃ!)




唯一救い?だったのが、ホンダです。

ホンダ・シビックGS CNG車(画像転用:ホンダ技研工業)

USからの逆輸入で販売したシビック・GSは2004年当時で約215万円。これは4ドアセダンで、当時ハッチバックしかなかった国内仕様とは一概には比較できないかも知れませんが、それでも当時の最上級XS(189万円)より26万円高いだけで、タイプR(約233万円)より18万円安い!

何故ホンダだけが他社に比べてこんなに安かったんでしょうか?

軽量なオールコンポジット(複合素材)の高圧容器を自社で開発し、搭載したからです。
USホンダは2015年まで、天然ガスの乗用車を生産する米国内最後のメーカーとして、「CIVIC GS」の販売をしていました。

つくづく残念です。



CNエボリューション

個人事業主として軽貨物事業を営んでいます。天然ガス自動車を業務に使用していく事の、良かった事、悪かった事、面白かった事、色々ご紹介して行きたいと思います。

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1件の返信

  1. 2019年4月10日

    […] 日本は世界で一番天然ガス自動車が高い国?(1)で書きました通り、ドイツやイタリアでは 今でもメーカーによる天然ガス仕様の乗用車を購入する事が出来ます。 […]

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