天然ガス自動車(CNG車)のスタンドの問題

宅配の仕事を始めて4ヶ月め、転機が訪れます。
配達担当のエリアが変更され、より広範囲で荷物も多い地域を担当する事になりました。
勿論売上げも上がる事を意味しますから嬉しい事ではあるのですが、同時に1日の走行距離が
約100kmから130kmへと増える事になります。おまけに丘陵地を切り開いて
無理やり?造られた「ニュータウン」と呼ばれるその地域は高低差がやたら激しく、平坦な所が殆どありません。あるのは小中学校の運動場くらい(笑)。常に登るか下るという具合で、前述した「ベタ踏み」する様な坂道も多く、クルマにとってはチョ~厳しいエリアでした。
もう従来の様に「2日に1度」の燃料補給という訳にはいかなくなったのは言うまでもありません。

私が乗っていたハイゼットカーゴ・CNGの場合、カタログ上は約275kmの走行が可能となります。ただカタログ値と実燃費が違うのはガソリン車と同じで、特にストップ&ゴーの多い宅配では、もって220kmではなかったかと思います。(もちろん、「ガス欠」になったらそれはもう困り者なので、カラになるまで走った事はありません)

ここで天然ガス自動車の困りごとの一つ、「スタンドが少ない」が挙がります。

エコ・ステーションのロゴ
↑こんなマークの看板を掲げたガソリンスタンド。見たこと無い方もいらっしゃるのでは?

それだけでなく、「運営会社による価格のバラ付きが大きい」を私は挙げます。

私の場合は自宅を基準にした場合なら、近くて約2km、遠いと約8km迄の半径の中で、計5件のスタンドがありました。でも出入りしていた○○局を基準に考えると、うち

1件目は営業時間が間に合わすパス。
2、3件目共には早く終われば補給可能だが価格がちょっと高い。
4件目は通勤道路にはあるのだが、閉店時間も早く価格も5箇所の中で一番高い。
5件目は24時間営業の全国チェーン。価格は一番安いが一番遠い。(約8kmの遠回り)

この5件。単位(立法メートル)辺りの価格が、125円~163円と、最大で38円
差があったのです。しかも過去数年の間にではなく同時期にです。

すぐ近くに競合他社があるガソリンスタンドと違い、周りに同業者の居ないガスのスタンド
では「価格競争」が起こりません。上記の4に至っては30万人も人口がある都市なのに1件だけという有様で、価格も一番高かかったです。それこそ「イヤなら他所いって」の世界。
運送会社以外の車両を見たことが無かったので、それで通じだのかも知れません。
(▼そのスタンドは2016年に閉鎖されました)

決して企業努力をしていない訳ではありません。上記した2.3の場合は、仕入れ価格に応じて価格が変動する仕組みになっており、ある時「高っ!」と思って足を遠ざけていたら、たまたま行ったら最安値になっていた、なんて事も。

運営会社による価格差というのは、地域によっても差があります。

私が調べた範囲では、東京ガスと日本海ガス(富山)、大阪ガスの、3社だけが、自動車用天然ガスの価格をWebサイトで公開していました。因みにこれを執筆した2017年9月の時点では、
東京ガスは92.48円。
日本海ガス102.96円/m3
大阪ガスは134.6円(共に税込み)

という具合です。
因みに私の地域の大手ガス会社の価格は、日本海ガスと大阪ガスの価格の中間くらいでした。

地下鉄の初乗り運賃といい、こ~いう事になると、東京って安いんですよねぇ。羨ましい…

なので、前項で書いた「ガソリンの場合の6割」は、最安値のスタンドで充填出来た時の話で、単発ではスタンド次第で8割とか9割以上という事もあったのは事実です。逆にもし、東京ガスの直営店で充填出来たなら、東京のガソリン価格が私の地域より僅かに高い事も相まって、5割以下という数字も。

幸か不幸か、私が出入りしていた○○局の場合、流石は「元・親方日の丸」。1日の配達を
終えて帰ってからもやたらと事務的作業が多く、どんなに慣れても帰れる様になる迄に30分
は要していましたので、帰る頃にはもう充填出来るスタンドが「5番目」しかないという状態
にほぼ毎日なっていた為、体にはキツかったものの燃料費の節約には大いに役に立った
という次第です(笑)。



CNエボリューション

個人事業主として軽貨物事業を営んでいます。天然ガス自動車を業務に使用していく事の、良かった事、悪かった事、面白かった事、色々ご紹介して行きたいと思います。

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